250215
瀧本哲史は、教養の中で言語が一番重要と言う。それは、言葉に力があれば、アメリカ合衆国の土大統領になれるほどの力を持つし、明治維新がそうであったように、国を動かすこともできるからである。特に、言語の機能にはロジックとレトリックがあり、レトリック(修辞)は聴衆を魅了し、説得して賛成してもらうための重要な能力と位置付けられるという。「まず『言葉』によって正しい認識にいたり、『言葉』を磨くことでその認識の確度を上げていく。そして『言葉』を使って相手の行動を変えていくことで、仲間を増やし、世の中のルールや空気を変えていくことが可能なんです」(瀧本哲史「2020年6月30日にまたここで会おう」星海社新書、2020年4月)
うん。まずは正しく認識し、確度を上げることに努力しなければね。
一方、言葉や音楽や映像を使って人の行動を変えていくのは、ナチスが行ったことでもあり、今となれば、SNSの影響力を見せつけられているわけだ。でも、だからこそ言葉を研ぎ澄ませなければならないのかもね。
2025年2月12日KNSコラムより
最近気になった言葉から
「お金を払って参加するのは自分より若い人達の集まりに行くとき」*1
これを耳にして、お金を払う払わないは別として、当然、私も自分より若い人と交わるよう努力しなければならないと思いました。心がけようと思っている程度なのですが、サイエンスフェアin兵庫に参加する理由にそうした気持ちも含まれます。
「難しい本を読むときには、電車に持ち込んだりします。」
どこかで本*2を立ち読みした際に残った言葉で、うろ覚えの正確な言葉ではありません。じつは今思い出しただけで最近目にした言葉でもありません。ただ、大江健三郎の言になるというところにポイントがあります。あの大江健三郎も難解な本の前ではひるむことがあるのだと、そして、それにきちんと対処しているのだということを知って、二重の意味で印象に残っています。
「僕は、センスという言葉を、『知識とパターン認識』だと考えているんですね。」*3
目にした時、「えっ」と思いました。センスを分解なり分析なりするという視点は全く持ち合わせていませんでした。つまりは、センスという言葉で満足して、思考停止させてきたわけですね。別の方(音楽家)の「何か音楽を聴くとしますわね。で好きになる。ファンとして模倣したりする。その了見の程度で何かやってると所詮はエピゴーネンなわけ」*4という指摘にうなずきながら、自分がその了見に留まっていることに気付かされました。思えば、学生時代から、例えば卒論を書く段になって、ほわほわした問題意識はあるのだけれど、課題が設定できないなあとは感じていましたが、それはまさに「ある世界を凝視して、そこに新たな精神の器の顕現を聴きだすところまで透徹しているか?そういう問いかけ」をしてこなかっただけという事実を突きつけられ、少し頑張らなきゃと思っています。
その頑張る方向性については、「『知識』から『パターン』が生まれてくる部分があります」と示していてくれています。そうして得られるパターン認識は「暗黙知」とも言い換えられるのですが、それを身に付ける前提として「測定できないことは改善できない」というところに立ち戻ります。パターンを見出す「『嗅覚』は、どうしたら鍛えられるのかといった話もあるのですが、まずは対象を観察・分析するところから始めなければならないようです。そう考えると、この方が言語化することや、メモをすること(きちんと後で読み返せるように奇麗に)の重要性を説くこともよくわかります。
「ある程度の時間をかけて計画的に行わないと変化に対応出来ない人が仕事からあぶれ、変化に対応出来ない会社が無くなって行く未来が見えます。」*5
ある中小企業の経営者の言葉です。変化に対応出来ない会社が無くなって行くといった言葉はよく目にしますが、実際に当事者として立ち向かう立場となったらどうか。私の想像を超える苦労に言葉はありません。同時に、変化に対応出来ない人にまで気持ちが及んでいることに着目したいです。この経営者の言葉は、自分の会社経営の枠を越え、「変化に強い人を育てる時間が必要だと思います」と続きます。
いろいろなところで人手不足が叫ばれ、それが常態化して久しい気がします。嫁の実家が尼崎の中小企業だったりするので、私も実際に見聞きしたことがあります。一方で、先日、私の所属部署で週4日勤務の嘱託を募集したところ、20人の応募がありました。単なるミスマッチの問題でしょうが、採用される一名を除く残りの方々を考えると、再就職をあきらめる方がいらっしゃるのではないかと想像した時に目に止まったのが、日本の労働市場は全体として超過供給状態にあるにもかかわらず、失業率が上がらなかったのは、失業から非労働者化してしまったことによるという指摘*6です。ハローワークを通じた求職活動をしなくなった人達が増えたということですが、人手不足の状況から零れ落ちて、待遇の低い求人であっても応じる人達が既に増えているということにもなるのでしょう。
こうした状況で無理やり賃上げしても、悪いことにしかならないように思えてしまいます。そもそも「本来、賃上げは、生産性の向上によって実現すべきものだ」という指摘*7の方がしっくりきていますので、やはり、企業として生産性の向上を図りつつも、変化に強い人を育てる時間が必要というところに立ち返る気がします。
*1:新井秀美さんの言葉。2024年12月6日(金)に開催されたKNSオープン・サイエンス研究会で話題提供いただいた際の発言からです。
*2:大江健三郎「『自分の木』の下で」(朝日新聞出版 2001年6月15日発行)という本です。
*3:楠浦崇央さんの言葉。彼が代表取締役社長を務めるTechnoProducer 株式会社が発行するメルマガ「e発明塾通信 vol.1149」(2024年12月2日号)より。
*4:伊東乾さんの言葉。2024年12月21日に彼が発信したXより
*5:井上佳宣(㈱井上模型製作所)さんの言葉。はい。前回(2025年2月5日発行)のKNSメンバーズコラムVol.732からですね。
*6:斎藤誠「なぜ、実質賃金が低下しているのか?:新型コロナ禍後の内外の経済環境を踏まえて」(2024年12月24日 RIETI [BBLセミナー])
*7:野口悠紀雄「日本を破綻に導く「英国病」の再来か?平均賃上げ率5%超えも手放しで喜べないワケ」(2024.11.7 ダイヤモンド・オンライン)
メモ/220617
6/17 酔っ払った時の思いつき
- 「教育」を「統治の論理」で支配する(文科省)というのが間違い
<まあ、統治する・規制する・基準を示す部分はあるにせよ、まかせる部分はまかせなければ、というまっとうな話。バランスの問題になるのか。>
- お前は政治学(統治の論理)を学び、産業政策<産学連携の間違いかな>(市場の倫理)を囓っているのだから、そこから何かを論じられる!!(と良いね)出来るか!!
- <例えば>政治的未熟を分析!!
政治的未熟<の問題>=統治の論理に支配されている<状態>から、市場の倫理=民主主義に支配されるべき<と考えてはどうか>
<これもバランスの問題か。ただ、このことを意識しておくと、すごく分かりやすくなる・整理しやすいと感じる。すべてを網羅できるかどうかまではわからないが。>
ちょうど読んでいたジェイコブスの「市場の倫理 統治の論理」の影響あり・・・というか、モロに引用しただけで、「思いつき」とさえ言えないものに過ぎないのだが。
メモ/220528 5/28
- 黒板職人(書き味が抜群の黒板を「研ぎ出し」の職人技で作り出す。(2022年5月23日付け朝日新聞夕刊))
- 商店街
- 飲酒(創造には無駄な時間!?)←酒なしコミュニケーション・研究会が成り立つ・むしろ効果的)
- 登山家が山に運び込むコーヒー
- 削られる経費(?)
対極にあるのが、
- コンビニの100円コーヒーの登場を、生活の「貧しさ」と喝破する伊東乾の指摘
- 養老孟司の、情報のみでは、コミュニケーション・コミュニティが成り立つのか、という指摘※
(情報以外は削られてしまう)
※「システム化された社会では、情報以外のものはすべて「ノイズ」だということです。」
「システム化された社会、情報を中心とした「脳化社会」にとって、人間はノイズになってしまう。」
「なぜコロナ禍で子どもたちは死にたがるのか?」養老孟司(2022.2.18 日経ビジネスオンライン)(養老 孟司へのインタビュー記事)より
「削られる」をどう乗り越えるか
- 産業界のコミュニティ、異分野交流(×会社内)
→気にくわない奴ら(地域ならば、高齢者。わがままな奴)をどう排除するか(KNS)
(「ゆるやかな連携」を提唱する人は、排除を肯定。逆にすべてに開放されていると、カオス状態であり、何も生まれない・・・というようなことを言っていたような)
→何かしなければ、となると苦しい(←KNSは楽しい)←→運命共同体
- 地域のコミュニティ(×村)
→今なら外国人(じつは障害者や不登校)
- 「つましく生活をすればエネルギー消費を減らせるし、より公平な社会にもなるという議論」は、「理解でき」るが、
「現代文明がもたらした気候危機は、そうした考え方への賛同の広がりで対応できる段階を、すでに越えています」
「資本主義の中でシステムを改革する道を模索すべきです。」
という諸冨徹の指摘(2022年5月17日付け朝日新聞))
↓
どう乗り越えるか=技術革新
メモ/ホームレスにワクチン(古い記事より)
2021年1月末、新型コロナウィルス感染症対策が初期の段階で、つまりは第一線で働く人々や高齢者の接種が最優先とされている段階で、リバプール市が363人のホームレスにワクチン接種との報。「『社会的に最も弱い立場にあるホームレス状態の人々が免疫を持つことは、彼・彼女を支援する周囲の人たち、ひいてはより多くの人々を守ることにつながる』とリバプール市長代理のウェンディ・シモン諮問議員が語る」とある。
(ビッグイシュー 401号(2021年2月15日))
今見ると戦略的に有効であると説明しているが、根底にあるのは、最も弱い立場にある人こそ救われなければならない、という考え。たとえ現実的には難しいとしても、建前だとしても、一定の効果は上げているという事実。そして、それを政治家が口にして、おそらく一定の支持を得ているということ。
いや、戦略的に考え、行動できているということだけかもしれない。そうだとしてもも彼我の差を感じてしまうが。
メモ/漆の輸入
DX
「 この1年で『デジタルトランスフォーメーション(DX)』