欧州委員会研究総局(EU Research DG)(2007/04/04)

全欧の研究機関−産業間の知識移転を強化へ:オープンイノベーションの導入を
Improving knowledge transfer between research institutions and industry across Europe: embracing open innovation &8211; Implementing the Lisbon agenda &8211;
欧州委員会は4月4日、知識移転システム強化策をまとめた標記文書を欧州理事
会、欧州議会などへ提出した。
http://ec.europa.eu/invest-in-research/pdf/com2007182_en.pdf

 同書では、知識移転を”欧州を2010年までに世界で最も競争力のある経済圏にす
る”との目標に掲げたリスボン戦略遂行の一施策として位置づけ、「北米と比べ発明
や特許件数で劣る欧州の大学の状況を改善するためには、欧州全体で産−学間の知
識移転システムを構築し、公的研究開発(R&D)資金を有効活用することが必要であ
る」と提言している。
 その他の提言事項は以下のとおり。

◇”知の経済”を目指した産学連携
・知識移転のための環境作り
 −知識移転の実務スタッフを育成すること。
 −知識移転の実務経験者を育成するために、研究機関に自治権を与えること。
 −加盟国は特許等のリソースを研究機関間でプールすること。
起業家精神の育成
 −知的財産(IP)の理解増進と制度の確立を支援すること。
 −公的資金を受けた研究の成果の取り扱いを一本化し欧州モデルを構築すること。
 −IP管理問題に関する意識向上を促す教材を作成すること。
 −特許、流動性、産学連携などの活動経歴を評価項目に取り入れること。
◇実現に向けて
 −結束政策※基金等の財源を産学連携強化のために最大活用すること。
  ・欧州工科大学院(European Institute of Technology:EIT)の設立
  ・産学連携活動
 −域内各国が進める施策、及び超国家的施策の支援を具体化すること。
 −研究機関と中小企業の連携を強化すること。
 −イノベーション関連活動のベンチマーク作りなど、知識移転の進捗状況の把握に努めること。