メモ

yamahiko-ozaki2009-03-04

教授への“営業能力”がカギ 中小企業の産学連携、成功の秘訣
フジサンケイビジネスアイ 2009/2/12
http://www.business-i.jp/print/article/200902120013a.nwc

中小企業が、大学などと共同研究や委託研究を行う産学官連携事業を実現するためには、教授への“営業能力”が大切−。信金中央金庫総合研究所は、こんな秘訣(ひけつ)をまとめたリポートを発表した。
 産学官連携の成否は仲介役のコーディネーターがカギを握るが、リポートは中小企業に必要なコーディネーターについて「高度な専門知識よりも、中小企業の感覚や事情を理解し、教授らと情報交換して良好な人間関係を構築できること」と指摘している。
 産学官連携は1980年代から広がり、90年代には国の文教・産業政策の柱に盛り込まれた。企業と大学の共同研究の件数は、2007年度は1万6211件にのぼり、03年度と比べ1.75倍に増えた。
 ただ、連携は主に大企業と大学の間で行われてきた。大企業は、学生の確保や最先端技術の情報を期待。大学側は、知的財産の特許権化や事業化、大学発ベンチャーの創業などで大企業の支援を得られ、研究費も調達できるメリットがあるからだ。
 一方、中小企業による産学官連携の伸びは緩やかで、共同研究全体の件数に占める中小企業の割合は年々低下している。こうした実態について、信金中金総研は「政府は産学官連携に多額の予算を費やしているが、その成果は主に大企業に渡り、中小企業には十分に及んでいない」と問題視している。
 リポートでは、大阪府の塩昆布製造会社が、府の補助金を受けて大学と共同開発した発酵塩昆布を大ヒットさせた例などを紹介している。コーディネーターは、文系学部卒で技術に関する知識がほとんどない金融マンが務めたという。
 中小企業の要請と大学の研究内容は合致しないことも多いが、信金中金総研の谷地向ゆかり主任研究員は「コーディネーターが教授に解決方法を考えてもらったり、他の研究者の紹介を受ければ、産学官連携を成功に導ける」という。
 高度な技術や知識を持つコーディネーターほど、専門分野に拘泥することもあるため、中小企業向けコーディネーターには「営業力やコミュニケーション能力、地域貢献への使命感がある人がふさわしい」と提言している。
 文部科学省によると、産学官連携コーディネーターは、同省が事業化して大学へ派遣しているほか、同省や経済産業省の外郭団体、金融機関などが人材を確保し、全国で約1700人が活躍しているとみられる。
 リポート「中小企業の産学官連携を成功に導くためのポイント」は、信金中金総研のホームページに掲載されている。

(See attached file: 200902120013a2.jpg)