ナショナルイノベーションシステムの“開国”に向けて

RIETIコラム RIETIヴィジティングスカラー伊藤萬里
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0213.html
対外開放的なイノベーションシステムの意義
>> 企業のR&Dの国際化は、知識のスピルオーバー効果によって進出先はもとより、自国にもポジティブな影響をもたらすことが実証研究によって示されている。こうした正のスピルオーバー効果が双方向に存在するのであれば、R&D活動を目的とした多国籍企業を誘致する政策や、国内企業の海外でのR&D活動への支援措置を検討する余地があろう。その一方で、日本に進出している外資企業によるR&D支出は1995年から2003年にかけて倍以上の伸びを示しているものの、対民間R&D支出のシェアの水準で見るとOECD諸国中最下位に位置している。また、日本企業の海外でのR&D活動に関しても、他国の多国籍企業に比べ低い水準であることが先行研究によって示されている。さらに外国との研究コラボレーションの度合いを示す指標として、たとえば特許の共同出願数を見ると、日本はOECD諸国において最も低い水準である。 <<