山形/移転、一体で知的財産支援へ 知的所有権センターと発明協会

 県内中小企業に特許などの知的財産に関するアドバイスを手掛ける2つの組織が山形市松栄の県高度技術研究開発センターに移転し、来月2日から新拠点で業務を開始する。センターには、県産業技術振興機構が入居しているほか、県工業技術センターも隣接している。研究開発支援や産学官連携などに関する県の専門機関と一体化し、知的財産に関する支援を強化する狙い。
 移転するのは、県知的所有権センターと発明協会支部。現在、両組織は同じ松栄地区の産業創造支援センターに入居しているものの、県高度技術研究開発センターとは距離があり、連携が十分ではなかった。
 製造業の海外シフトなど産業が空洞化し、高付加価値のものづくりの重要性が指摘される中、国は「知財立国」を掲げ、競争力強化に乗り出している。今回の移転もこうした流れの一環。
 知的所有権センターの本部では、特許情報活用支援と特許流通に関するアドバイザーらが企業への指導、助言などを行っている。発明協会支部弁理士による無料相談会や出願アドバイザーによる各種相談業務などを手掛けている。今後、工業技術センター、県産業技術振興機構との連携を強め、研究開発から権利化、活用まで一貫した支援体制をつくる。
 今月28日に移転作業を行い、29日から一部業務を再開する。
山形新聞ニュース 2007年6月25日(月) 18:36>