九工大が特許利用許諾 韓国の製薬ベンチャーに

 九州工業大(北九州市)は21日、同大が保有しているアミノ酸化合物の特許について、韓国の製薬ベンチャー企業に利用を認める契約を結んだ。国内の大学が海外の企業に特許の利用権を許諾するケースは、全国的にも珍しいという。
 今回の特許は、細胞の増殖を制御する効果をもつ化合物で、西野憲和教授(生物分子科学)らが開発した。抗がん剤の開発に活用できる可能性があるという。契約先は、韓国・忠北大学のハイ錫哲(ペスクチュル)教授が最高経営責任者(CEO)を務める製薬ベンチャー「バイオ・ルンクス」(韓国・清州市)。
 同日、北九州市若松区北九州学術研究都市で契約を結んだハイCEOは「5年後を目標に、抗がん剤骨粗しょう症の治療薬を開発したい」と語っていた。
 九工大はこれまで、26件の特許について国内企業と利用契約を結んだが、海外とは初めて。「今後、海外企業向けにも積極的に特許を売り込みたい」としている。
=2007/07/22付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/20070722/20070722_001.shtml