OST隔年報告2006年版

Rapport biennal edition 2006 Le rapport de l'OST
フランス: 科学技術観測所(OST):
L'Observatoire des sciences et des techniques;
2007年6月11日付けで科学技術観測所(OST)が発表した標記報告の概要を以下に示す。
1) 2003年のEU25加盟国の研究開発集約度は1.82%(米国は2.68%、日本は3.15%)で、企業によるR&D支出はEUGDPの1.15%。
2) 2004年、EU25カ国の出版記事は世界全体の34%(米国は27%)であるが、その国際的影響力を示すEU出版物の直接インパクトファクターは0.99(米国は1.49)。
3) 特許は欧州の制度においても米国の制度においてもEUの占める割合は減少した。
4) 欧州におけるR&D支出の上位3カ国
 ? ドイツは単独でEUのR&D支出全体の4分の1以上を占め、特許で支配。
 ? フランスはEUのR&D支出の約5分の1を占める。
 ? 英国はEUのR&D支出の6分の1強で、出版で支配。
5) 2003年のフランス国内研究開発支出額は世界第5位であるが、研究開発集約度では12位でGDPに占める割合は2.13%。
6) 研究開発の国民投資のうち企業が占める割合は80年代末以来一定して上昇し、その後2002年以降わずかに下降したが、2003年は国民研究開発支出の54%となっている。
7) 民間セクターのR&D支出は2000年以降安定しており、約63%。また企業の研究者数も1998〜2003年の間に40%増えている。この傾向は外資系傘下の企業に顕著である。
8) 高等教育においては、材料科学、生命科学領域の博士号取得者数が1999〜2004年の間に10%減少している。博士号新規取得者のうち、女性40%は安定している。外国人は1999年の24%に対して、2004年は26%。
9) 2004年にフランスは材料科学、生命科学で世界の出版記事の4.7%を出しているが、これは1999年に比べると13%少ない。米国、日本、英国、ドイツ、中国に次ぐ世界6位である。
出版物の直接インパクトファクターは、世界平均を1としたとき、0.94で世界第14位(1999年は11位)となった。
10) 2004年、フランスは欧州特許出願件数の5.6%を占めた。10年以上下がり続けた後の、初めて安定した数字であり、米国、日本、ドイツに次ぐ世界第4位の位置を確保している。
[文責: DW編集部](2007年 7月27日更新)