フランスのイノベーションにおける官民協力

Les cooperations public-prive pour innover en France
フランス: 高等教育・研究省 :Ministere de l'Enseignement superieur et a la Recherche
2008年 4月 3日
 国民教育省と高等教育・研究省が連名で不定期に発行している「Note d'Information」の2008年3月号では、標記に関する調査結果をグラフや表を示して解説している。その概要を以下に示す。

◇調査の背景
1) 様々な振興改善策がとられたにもかかわらず、2007年の報告によると、企業の研究契約出資額は1992年以降減少傾向にある(514百万ユーロから509百万ユーロに)。
2) EUの研究開発フレームワーク計画(PCRD)では、公的研究機関と企業との連携研究を行っているが、フランスの成果(採択率)は思わしくない。
3) 上記結果から、他の欧州主要国に比較してフランスの研究競争力低下が懸念されるため、フランスの公的研究機関から企業への知識移転の現状を調査することにした。

◇調査結果
1) フランス企業の10%が、そのイノベーション活動を大学若しくは公的研究機関に頼っている。大学との協力は全体の8%、公的研究機関との協力は同6%で、この数字はEU加盟国全体よりやや高い。
2) 納入業者と顧客との"垂直"協力(イノベーション企業の30%がこのタイプ)に比べ、官民協力の比率は低い。
3) イノベーション企業と民間R&D機関、あるいは競合企業との協力は、それぞれ12%及び10%を占め、官民協力とほぼ同等である。
4) 外国との提携数は、公的研究機関との協力関係を有する企業の4分の1強が1件以上有している。民間R&D機関との協力を有する企業も、同程度である。
5) 競合相手との協力関係を有する企業では、外国の提携先への依存度が高く、37%を占めている。同様に、他の業界との協力を有する場合は35%、顧客との協力では35%、納入業者との協力では30%となっている