米SRC,日本の大学への投資を倍増

  「日本の大学に対するメンバーの評価は高い」(米Semiconductor Research
Corp. Exective Vice PresidentのSteven Hillenius氏)。半導体研究コンソーシアムの米Semiconductor Research Corp.(SRC)は,日本の大学への投資額をこれまでの50万米ドル/年から,2009年に100万米ドル/年へ引き上げることを決めた。半導体産業が直面する課題の解決に,日本の技術を活用する。
 SRCは,米IBM Corp.や米Intel Corp.,米Applied Materials, Inc.など17社の半導体関連企業で構成している。会員企業の協議を経て大学の研究開発に投資し,研究成果を会員企業が活用する。現在,120大学に約3700万米ドル/年を出資している。
 日本では,会員企業として東京エレクトロンが参加するほか,2年ほど前から東京大学広島大学早稲田大学が出資を受けている。日本の大学のこれまでの成果に対する会員企業の評価が高いため,投資額の増額を決めた。2009年の出資先はこれから決めるが,「新たに3件の研究がスタートするだろう」(SRCのSteven Hillenius氏)とした。
 Steven Hillenius氏は,「世界の半導体研究に対して十分な資金が供給されていないため,半導体研究に遅れが生じている」との懸念を抱いている。半導体研究に必要な資金が年率16%で増加しているのに対して,供給金額は年率12%しか増えていない。2007年時点の必要金額と供給金額の差は,23億米ドルに達する。
2008/12/09 17:18 河合 基伸=日経マイクロデバイス