メモ/empublicメールマガジン 「根津の街から」 第25号より

■「Forces for good」
The Six Practices of High-Impact Nonprofits (J-B US non-Franchise
Leadership) (ハードカバー)
Leslie Crutchfield (著), Heather McLeod Grant (著)

アメリカの二人の学者が、社会的に大きな影響力を与え、かつ、
10億円以上の予算規模があるNPO12団体を対象に、
どのようなリーダーが、どのようなマネジメントをして大きくしたのか、
NPOにとってのリーダーとは何かをテーマに調査を始めます。

当初、二人は、カリスマ性があり、優秀で、経営力のあるリーダー像を
想定していたのですが、調査を始めて、それが誤解だと気付きます。

本当に大きなインパクトを出した非営利組織のリーダーは、
決して完璧なリーダーではない。そして、完璧な事業プランや優れた
経営力が大きな社会的成果を出せる理由でもない。

では、なぜそれらの団体がハイ・インパクト団体となれたのか?
団体に共通項はあるのか?

そこで見出したのが、ハイ・インパクト団体は、一人の人間、
自分の団体の力に頼っていないということです。
社会を良くしたいという目標が大きいからこそ、自分たちだけで
できることには限界があることに気付き、他の人たちが彼ら自身で
動いていけるよう守り立てることを大切にした人たちこそが、
個の力を乗り越える社会的影響力を発揮でき、だからこそ、
ハイ・インパクトとなることができたのです。

本は、次のような文章で締めくくられます。

The most powerful, influential, and strategic organization transform
others to become forces for good.
〜最もパワフルで、影響力があり、戦略的な組織は、
他の人や機関が「良いことへの力」となるよう変化させるのだ。

「the force」ではなく、「forces for good」。
誰か個人のすごい力が社会を良くするのではなく、様々な人が
持っている潜在的な思いや力が発揮されるようにできる団体こそが
自分たちのメッセージを広げ、社会に変化をもたらすことができるのです。

empublicメールマガジン 「根津の街から」 第25号(2010年1月18日配信)より