メモ/Knowledge Angels

ディリーウォッチャーFile No. 827-004
個々の「Knowledge Angels」企業全体を救う
Einzelne Wissensengel helfen dem ganzen Unternehmen
ドイツ: フラウンホーファー協会システム・技術革新研究所(ISI)
2010年 1月14日
「Business Angels」が特別な能力によってその会社に経済的な前進をもたらす、と
いうことは周知の通りである。これに対して比較的新しいのが、自身非常にイノ
ベーション的であるだけでなく、他企業にもその創造性を移す、いわゆる知識集約
的なサービス企業における「Knowledge Angels」という考え方である。ISIは、これ
が人間にどういう働きをもつのか、この分野における知識の拡大、伝達、応用にど
のように役立つのかを分析した。
知識集約的なサービス企業における中心的な能力は創造性である。ISIの研究者はこ
うした会社においては特に創造的な個人で、イノベーションの展開において中心的
な役割を果たし、同僚たちから「知識分析家」と目される者と考える。
所謂「Knowledge Angels」は他の人たちより前に様々な進展を感じ取り、それをい
ち早く役立たせることができる。
ISIの科学者たちは「Knowledge Angels」の発展及びアイデンティファイにとって重
要な五つのディメンジョンを分析した。
1.「Knowledge Angels」は高水準の教育、資格を持ち、確固とした、幅広い職業
経験を有する。少なくともマネジメントの中で仕事をし、しかも「operative
business」に関心を持つもの。
2.その地域的な環境に関して企業拠点に満足しており、その周辺との結び付きを感
じている。
3.知識への多様なアプローチ方法及びネットワークを、外部とのパートナーとの意
見交換、科学的な活動及び資格取得等によって、利用し、外部チャンネルを通じて
取得した知識を社内の活動に利用する。
4.問題発生の場合「Knowledge Angels」は共同で問題の解決を見出すため、適切な
人間を結集させる感性をもっている。
5.「Knowledge Angels」が勤務する企業は高度に特化されているか、あるいはニッ
チ的解決をもたらすもの。彼らにとって重要なのは課題が常に変化することであ
り、成長と並びユーザーの満足のため努力する。一般的に彼らはその企業とその目
標を同一のものとする。
ISIの科学者は国際的なパートナーたちと共に、ドイツ、フランス、中国、スペイ
ン、カナダの潜在的な「Knowledge Angels」との会談を通じ、「Knowledge
Angels」とは高度のセルフ・モティヴェーション、独学による習得能力、アンビ
ション、柔軟性、コミュニケーションの巧みさを持つ人間であり、変化に迅速に対
応できる人間であることを確認した。
企業側としては「Knowledge Angels」の可能性のある人材を確認し、その個性を発
揮するチャンスを与えなければならない。何故ならば、その他に先んじて発展、進
展を感じ取るその能力に加え内と外両方に向けてそのアイディア、戦略、ビジョン
を実現できる地位を必要とするからである。
ワーキング・ペーパ「Entering the KIBS blach box: There must be an
angel!!(or is there something like an knowledge angel?)」のダウンロードが本
文から可能
[文責:DW編集局(佐藤)]

(2010年 1月21日更新)