参考情報/シリコンバレーは危機的状況

「報告」に何らかの意図が加わっている可能性もあるのだが・・・

シリコンバレーは危機的状況」、地元団体が調査報告
2010/02/12 13:38Tech-On!
シリコンバレーは、その活力が停滞し、競争力を失いつつある。この地域は
今、危機的状況にある」---。こうした調査報告をシリコンバレー非営利団体
Joint Venture: Silicon Valley NetworkとSilicon Valley Community Foundation
が米国時間2010年2月11日に発表した。
 報告書によると、中国やインドの急速な経済成長やカリフォルニア州政府の失策
が、投資活力を徐々に失わせ、シリコンバレーの回復を不透明なものにしていると
いう。「イノベーションが原動力となって過去60年にわたり地域の繁栄をもたらし
てきた。しかし世界大恐慌以来の景気低迷を迎え、この地域は不確実という新たな
時代に突入した。優秀な人材を魅了し、イノベーションに投資し、適切な生活の質
を保つといった状況はもはや保証されなくなった」と述べている。
 中でもベンチャー・キャピタルの投資対象は、ソフトウエアや半導体の分野か
ら、バイオ技術やエネルギー、医療機器、メディアへと移行しつつあり、また投資
水準の減少も続いている。ベンチャー・キャピタルは過去10年間大きな利益を得て
いないという。
 外国人の人材については、同時多発テロ以降の米国の政策や、インドや中国の急
成長が、シリコンバレーへの人材流入を阻害しているという。2008年11月から2009
年11月までの期間、サンタクララとサンマテオの雇用は6.1%減少しており、米国全
体の雇用減少率3.8%より悪化している。また2008年第2四半期から2009年にかけて
シリコンバレーは9万人の人材を失っており、現在は2005年の水準にまで落ち込んで
いる。カリフォルニア州政府の財政危機と政策の行き詰まりも、雇用機会、インフ
ラ、生活の質、人材確保の競争といった面で悪影響を及ぼしているという。
 「明らかに、今は安閑としている時ではない。これまでの前提を越えた発想、異
なる組織作り、いっそうの創意工夫、新たな協力体制の構築が求められている。こ
れらマイナス要因は、シリコンバレーの全盛時代が終わったことを意味するわけで
はないが、この地域が潜在的に危険な状態にあることを示唆している」と報告書は
締めくくっている。
http://www.jointventure.org/index.php?option=com_content&view=article&id=238:silicon-valley-faces-tough-climb-ack-from-recession&catid=32:news-releases&Itemid=327