メモ/農業、アフリカ

アフリカの貧困、開発の問題は、基本的には農業にあります。これは、いまやグローバルイシューとなっており、とくに東アジアにとって深刻な問題になってきました。世界最大の穀物輸入国は日本ですが、米は自給できても飼料穀物をつくるだけの面積を確保できないという状況は、東アジア全般に当てはまります。東アジアは、永く世界最大の穀物輸入地域であり続けてきました。

こうした穀物輸入の流れを、猛然と追い上げてきたのがアフリカです。2011年には、サブサハラ・アフリカ49カ国を合わせると日本を上回り、さらに北アフリカ6カ国を足した穀物輸入量は7000万トンに上りました。これは世界の穀物貿易の20%以上にあたり、東アジアはおよそ15%となっています。つまり、世界の穀物市況が破綻するならば、その震源地はおそらくアフリカと考えられます。そのとき、最も大きな被害を受けるのは東アジアですから、アフリカの自給力を高めることは、我々にとっての利益になるのです。

http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/14022701.html
BBL議事録 (2014年2月27日)
平野 克己 (日本貿易振興機構ジェトロ)アジア経済研究所 上席主任調査研究員)