東工大が「承認TLO(技術移転機関)」に

第2幕が開けた大学の技術移転
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070404/122249/
 多くの有力研究大学は、関連する承認TLOに技術移転事業を業務委託し、財政面での支援を始めている。マーケティングライセンシング業務を、関連する承認TLOに委託するケースが多い。
 業務委託を一層進め、知的財産本部と承認TLOを一体化させたのが、今回の東工大の動きである。つまり理工学振興会が受け持っていた技術移転事業を、東工大の知的財産本部である産学連携推進本部に移管・統合することにした。
 これによって、理工学振興会が承認TLOとして保有してきた511件の特許(出願中を含む)を、東工大保有に移した。東工大は2004年4月の国立大学法人化以降から保有する特許と合わせて計1663件を保有し、技術移転事業に励むことになった。この結果、東工大が持つ特許の情報の照会窓口や技術相談窓口も、東工大の知的財産本部に一本化された。
 現在、国立大学に関係の深い承認TLOの多くは、財政面での自立経営を迫られつつある。東工大の知的財産本部と承認TLOの事実上の一体化は、承認TLOが生き延びる1つの道を示したと言える。承認TLOが自立化する「TLO第2幕」が始まったのである。理工学振興会の技術移転事業は、まだ移管途上にある。移管が終了次第、「承認TLOの承認を取り消す予定」(経産省産業技術環境局大学連携推進課)だという。