地域の起業支援が研究成果の活用に効果あり:International spearhead research commercialised in Finland through local effort

2007年 5月 8日
http://crds.jst.go.jp/watcher/
フィンランド国立研究開発基金(Sitra)はこのほど、フィンランドにおける研究成果の商用化に関する状況を報告書にまとめた。
同書によると、「大学発の研究成果を活用するにあたり、地域のインキュベーター(起業家育成支援者)機能が上手に働き、企業の競争力強化につながっている。しかしながら、フィンランドの大学のライセンス収入等は、、英米を下回っている」としている。
同報告書の主な内容は以下のとおり。
◇大学発研究成果に関する指標:フィンランド(芬)・英・米比較
1)発明開示件数(使用研究費1億ユーロあたり):芬40、英28、米87、
2)特許取得件数(同上):芬7、英15、米11
3)ライセンス収入(同上):芬25万ユーロ、英160万ユーロ、米700万ユーロ
4)スピンアウトした企業数(同上):芬5、英6、米1
5)2000〜2005年に起業した171社のうち、純売上高が200万ユーロ以上に達したのは1社のみ、40万ユーロ以上は15社のみ。
6)成長企業のうち国際市場に進出した企業割合は2005〜2006年に13%から25%へと上昇。インキュベーター企業数も2003年の98社から2006年の161社へと増加。
◇今後の課題
・研究成果の商用化における大学の役割に関する政策を確立すること。
・国際市場を熟知し実績を有するコンサルタントを増員すること。
・大学/技術インキュベーターと国際化/商用化の専門家との戦略的パートナシップを構築すること。