承認TLOの山口TLOなどの5TLOが技術移転協力を開始

 承認TLO(technology licensing organization:技術移転機関)の山口
ティー・エル・オー(山口県宇部市,山口TLO),財団法人岡山産業新興財団(岡山TLO),テクノネットワーク四国(高松市,四国TLO),長崎TLO(長崎市)の4つの承認TLOと沖縄TLO(沖縄県西原町)は,相互に技術移転に協力し合う地域間連携を実施する「技術移転協力に関する協定書」を締結したと,2008年7月25日に発表した。本協定によって,中国,四国,九州,沖縄での地域間連携を実施し,技術移転を促進するのが狙い。
 沖縄TLO以外の4つのTLOは,承認TLOとして文部科学省経済産業省の支援を受けている。山口TLOをはじめとする5TLOは,それぞれの関連大学などの研究成果から産まれた技術シーズなどを登録した連携データベースを共有し,互いに地元の企業にその技術シーズを紹介し合う。もし,地元企業が興味を持つ技術シーズがあれば,登録したTLOと地元の企業に紹介したTLOが協力して技術移転の交渉を担当する。この交渉結果から実際に技術移転契約が締結され,技術移転に伴う収入が生じた場合,技術シーズを保有するTLOが,地元企業を紹介した当該TLOに“成功協力金”を支払う仕組みである。
 1998年(平成10年)に承認TLOの第1号になった4機関以降,2008年までに承認
TLOは47機関に達している。承認TLOを中核とする技術移転機関は,技術移転収入による技術移転事業の黒字化などの健全化を図ってきた。今回の5TLOによる地域間連携は,技術移転事業の採算性を改善する工夫の1つである。
(丸山正明=日経BP社産学連携事務局プロデューサー) [2008/07/29]