メモ/中馬先生の発言

総合科学技術会議 基本政策専門調査会
研究開発システムワーキンググループ(第1回) 平成22年2月3日 議事録より

○中馬委員・・・
 私は、ソーシャル・サイエンス・オブ・サイエンスみたいなことをやっています
ので、サイエンスそのものを研究対象にしてこられた方々とはちょっと認識が違う
と思いますが、現状の日本の各種サイエンスに関する(平均的
な)研究開発スタイルを一言二言で表現しますと、『世界の中で孤立、国内で群雄
割拠、それから社内で群雄割拠』というキャッチフレーズがとてもフィットすると
思います。そして、そのような状況をどうやって打開するかが緊急の課題となって
いる。打開策として最も効果的と思われるのは、先ほど橋本さんなどがおっしゃい
ましたように、孤立状況や群雄割拠状況を打開するために世界・国内・社内のネッ
トワーク性、連結性を高めることが不可欠だと言い切れるのではないかと思いま
す。
・・・
 私自身は、ソーシャル・サイエンス・オブ・サイエンスの立場から、この国の各
種サイエンスの営みを拝見させていただいております。そのような研究から得られ
ました感想は、「この国の人たちは、こんなにも世界で孤立状況にありながら、な
ぜこれほどまでに多様性に満ちた数々のすばらしい(サイエンス)研究が実現され
てきたのだろう」ということです。その点は大きな驚きに値する点だと思います
が、そういう日本の強みを今後も活かせるような社会システムを作っていくために
は、各所でのネットワーク性・連結性を飛躍的に高めることが不可欠だと思いま
す。