メモ/山本委員の発言(CSTP研究開発システムWG(第2回))

平成22年2月17日(水)9:30〜12:30
総合科学技術会議 基本政策専門調査会
研究開発システムワーキンググループ(第2回) 議事録より

○山本委員 ・・・例えば、光スイッチや光メモリなどがあって、いろいろな大学で
発明がある。光スイッチだけでも、多分100個や200個の発明があり、結局、どれが
ディファクトになるかわからないというところが問題である。そうすると、各大学
が、自分の大学の発明がディファクトになる確率は、例えば200個あれば200分の1
の確率で、かなりその特許を維持するかどうかであきらめてしまうことが多い。こ
れは、総務省の問題でもなく、光スイッチだけの問題だけでもなく、いろいろな技
術にそういったことがある。
 それはどうするのかを、各省庁や各独法が考えることではなく、例えば私は産業
革新機構に、もう光スイッチ関係の技術は全部集める。そうすると、どれがディ
ファクトになったとしても日本は勝つといった標準化ができるのではないかと。産
業革新機構でなく、ほかでもよいのかもしれないが、例えばそういうことを考えな
いと、個別に研究をやっていてもディファクトを取れないのではないかということ
について、具体的な出口を探したほうがよいのが1点ある。
 それと、例えば農水省の方でいうと、今、日本中の大学で生まれてくる遺伝子組
みかえ食品の特許、技術は、ほとんどがモンサントや、オランダのキージーンとい
う会社に紹介されている。理由は、日本で遺伝子組みかえ食品を事業化する会社が
ないからである。JTなどは一部やっているが、ほとんどやらないわけである。
 このキージーンというオランダの会社は、オランダの国立研究所、TNOがつ
くった会社である。TNOホールディングスというところが50%出資して、民間に
半分出資させて、国策的である。要するに、今はもうからないが、何十年か後に食
料問題が生まれたときに、これに対して特許を使えるような状況に国としてしてお
こうと。今、日本中の大学は、もう日本でコマーシャライズは無理であり、日本で
生まれた特許はすべてキージーンに紹介されているという流れが実際できている。
 例えば、これは一つの別の観点で考えれば、日本の独法も戦略的な、今はもうか
らないが持っておきたい会社をつくって、そこに知財を集めておく。会社が無理で
あれば、さっきの産業革新機構に集めておいてもよいのかもしれないが、そういっ
たことをやらないとイニシアティブが握れなくなるのではないか・・・・