メモ/多様性の高い人工知能の実現

「今急速に開発が進められているデータドリブンな人工知能においては、データをより多く集めた「強者」が主導権を握っている。そして、今まさに活性化している人工知能が社会に与える影響についての議論も、現状ではこの領域における「強者」が主導している。「強者」による人工知能の最適化が進むほど、その「強者」が作り出す人工知能が全世界のデファクトスタンダードとなりえる。
 ・・・本質的な課題は、強者たり得ない国家・社会・人種・組織にもメリットをもたらす人工知能の実現ではないだろうか。
 多種多様な人間・社会の価値を尊重し、有用性の高い人工知能を実現することは、全世界共通の重要な課題である。その実現をより確実なものにするためには、将来あるべき人工知能の姿を人間自身が設計することが必要であり、そのためには多様な意見のインプットが不可欠である。・・・専門家・非専門家であるかによらず、多くの人が人工知能に関する議論を自分ごととして捉え、こうした議論の場に飛び込んでみるべきであると考える。」
 帆足啓一郎「AI暴走ニュースの先にある人工知能社会のあるべき姿」
アスキーエキスパート ― 第35回 人工知能の健全な発展のための市民主体議論(2017年10月05日 09時30分更新)