メモ/山藤章二

「たとえば、為政者による締め付けが厳しかった、かつての東欧圏では高度に知的な風刺が根付いていた、と言われています。どんなに強い統治の仕組みがあっても庶民の心をコントロールすることはできなかったのでしょう。
 一方で、表現の自由を享受できるはずのいまの日本で、立場の違いを見過ごさず、『炎上』するまで攻撃するような動きが目につく。インターネットのひろがりで、表現手段もひろがっていることが招く皮肉なのでしょうか。」
山藤章二「語る −人生の贈りもの−」(朝日新聞2018年5月1日)