メモ/いまだに成功した人から学びましょうって言われるやろ

「--苦しい人たちが、もっと「助けて」と声を上げることはできないのでしょうか。

 うかつに『助けて』って言ったら、周りから、もうこいつ終わりやなって思われるから、言わない。それは、歌舞伎町とか夜の街だけのことではない。まして会社員ほど『助けて』って言わない。弱みを見せたら、悪い評価がつけられるんちゃうか、と思うからや。だから、『助けて』どころじゃない。今の日本は、いったん脱線したら終わりで、再チャレンジはでけへん。

--なぜ、そうなのでしょう。

 だって、いまだに成功した人から学びましょう、偉くなった人から学びましょうって言われるやろ。失敗した人から学ぶという考えがないねん。どんな過去があってもやり直しがきく、再チャレンジできるシステムがない限り、どんどん無傷で痛みがわからんやつが上がっていくから、みんなで痛みを分かち合おうとはしない」

               玄秀盛インタビュー(朝日新聞2020年10月20日付け)

京アニ事件

それにしても、見ず知らずの人間を殺したがる人の多さよ(職場に)。被害者でもないのに。死刑を見物する野次馬と同じか。裁判の意味は、量刑を決めることだけではなかろうに。事実認定は重要であるし、次の同様の事件を未然に防ぐに必要だと考えられることもある。

メモ/チッソの歴史

「人文科学は、批判の科学です。正の部分をしっかり発展させていくためにも、負の側面を直視し、分析する勇気を持つことです。
 たとえば、ある科学技術が登場して、それが社会に影響を及ぼしている、と考えるとき、その科学技術でどのように文明を発展させていくか、という問いはあまり人文科学の発想にはありません。
 その科学技術の現状を分析するというよりは、その科学技術から一歩引いて、歴史的、社会的、哲学的意味を問う、というものです。
 たとえば、ラクターや化学肥料のデュアルユースや環境破壊という問題を考えるとき、その影響評価だけを見るのではなく、どうして、有機肥料から化学肥料に転換が起こったのか(ラクターが普及し、糞尿の生産が少なくなったため。化学合成技術が進歩したため)、その中で、化学肥料の企業である二つの会社がどうして、熊本と新潟で水俣病を引き起こしたのか(国際競争にさらされ、拙速に新しい技術を追い求めたため)、どうして、日本の窒素肥料会社が第2次世界大戦前に植民地の朝鮮半島に現地会社を作ったのか(肥料と同じ工場で火薬を作り、軍事と農業の発展を同時に側面援助するため)、などを考えていくと、ここ数年だけで考えるよりも、より鮮明に未来の科学技術とはどうあるべきかがわかると考えます。」
 藤原辰史(京都大学 人文科学研究所 准教授)
産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側(第133号、2020年5月28日)
発行:経済産業省産業技術環境局総務課

メモ/山脇直司

「民主主義国家でなされる緊急措置としての自由権の制限は、政策決定者の意思決定の透明さと国民への説明責任が不可欠であり、また自由権の制限によって被る国民の経済的不利益は、政府によってできる限り補償されなければならないことをメルケル政権はよく示している。」
 
憲法29条は、「『財産権は、これを侵してはならない。2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる(29)』・・・この条項の3こそが、『政府による私有権制限と休業補償の根拠』とならなければならないと筆者は考えるが、この条項に依拠する声が今のところ野党からさえ上がってこないのは、奇妙に思える。」
山脇 直司「世界史的出来事の渦中にて思うこと その1」(星槎大学大学院ホームページ「星槎ジャーナル」202054日)
 

メモ/多数少数決原理

「暴力は、もちろん避けなければならない。けれど、人間がいる以上、紛争はある。それを前提とするかどうかで、すべて考え方が違ってくる。法とは何か。国家とは何か。集団とは何か。そういうことが、すべて変わってくる。・・・満場一致というのは虚偽なんです。ぼくはそう思うんです。ありうるはずがない、フィクションなんです。だからこそ、多数決でやる。そのかわり、少数者の権利を保障する、という考え方が出てくる。」丸山眞男「自由について」編集グループ〈SURE〉(2005)

メモ/外交と友情と

@itokenstein 9月3日
自分が病気で参加費払いに行けないので 友達に代わりにもってってもらって迷惑かけないようにする みたいな 35年くらい前なら あたりまえの「世間の常識」が まったく存在しなくなった今日と 何の落差なのか 真顔で考えてしまっているわけ・・・

@dd2dtty 9月3日
友達とは。。と言うところから
大塚久雄氏が「本源的に資本とは何か?」と問われ「人間関係」と答えたように。。
友達とは多少の面倒はかけていい相手という関係性を否定しつつあるのが現代の厄介なところ

@itokenstein
本日も外来の賓客をお迎えし 友人 が また増えました。 各国指導者間の「友情」が その先の産業振興の本質的だったりするわけですが^^

メモ/フリードリックス

「フリードリックスという数学者が「国際的に鈍いので有名」(森毅+論楽社『ゆかいな参考書』径書房、1985年――なつかしいなあ)。彼はいろいろ説明しても鈍い。わからない。「耄碌したか」と思っていたら、3年くらいして表層だけではなく、本質を理解している。わかりかたにコクがあるんだ。
 職人に必要なのは、運・鈍・根(と言う)。鈍が入っているのは、「頭の強い」ひとがどんな場にも必要であったからだ。
 わからんことを器用にわかったことにせず、何十年も蓄えていく「強さ」は必要。親問題に立ち向かうには、そういう「強さ」が大切。」
論学者ほっとニュース 2018.08.30
連載コラム「いまここを生きる」(第323回)劣化の理由

Ken ITO 伊東 乾

「「方代流し」かたしろながし と 読みますが 人形のようなものを作り 簡単な舟に浮かべて川に流すことで 罪穢れが流され 清められ祓われる という 典型的な日本の土着アニミズムがあり、そうした心性は現代人の深層にも残っている面が残念ながらあることが海外との議論で浮き彫りになります」@itokenstein 9月8日
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