東京大学とサン・マイクロシステムズ、産学連携の共同研究テーマ決定し、活動を開始

http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20080111-01.html
東京大学サン・マイクロシステムズ(東京・世田谷、末次朝彦社長)は、2005年6月に東京大学と米国サン・マイクロシステムズ社が新しい産学連携モデルの確立を目指して締結した共同研究に係る協定書に基づいて、「Fortress上でのスケルトン並列プログラミング手法に基づいたライブラリ開発」と「RubyJRubyでのマルチVirtual Machine(MVM)環境の実現」の2つの研究テーマで共同研究を開始することを、2008年1月10日に発表した。
東京大学では、価値創造型産学連携共同研究立案のスキームである「Proprius21(プロプリウス21)」を展開し、これまでに国内企業との間で複数の共同研究に結びつけてきた。今回の共同研究は、「Proprius21」を利用した、初めての海外共同研究となる。
 「Fortress上でのスケルトン並列プログラミング手法に基づいたライブラリ開発」は、東京大学大学院情報理工学系研究科の武市正人教授と胡振江准教授のグループが、米サン・マイクロシステムズ社の研究開発機関であるSun Labsのガイ・スティール博士のグループと共同で研究を行うもので、共同研究の期間は2009年3月末までの計画である。米サン・マイクロシステムズ社は、当初1年間分の研究予算として10万ドルを拠出する。東京大学とSun Labsの両方に研究開発拠点を設けるとしている。東京大学は、研究者としてポストドクター(ポスドク)1人を雇用して、研究を実施する計画である。
 「RubyJRubyでのマルチVirtual Machine(MVM)環境の実現」は、東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内郁雄教授のグループが、米サン・マイクロシステムズ社のティム・ブレイ氏(Director of Web Technologies)とJRubyのメンバーとの間で行う共同研究で、同期間は2009年9月末までの計画である。同様に、当初1年間分の研究予算として10万ドルを拠出する。
 これまでも東京大学サン・マイクロシステムズの間では、CPU(中央演算処理装置)の開発や高速ネットワークの構築などにおける研究で、協力関係があった。今後、両者は「Proprius21」に基づいて、「次世代デジタルキャンパスの研究開発」や「次世代 e-ラーニング環境の研究開発」、「次世代コンピュータ・サイエンス環境の研究開発」などを中心に、セキュリティーコンパイラ、HPC(High Perfomance Computing)ツール、モバイル・テクノロジーなどに関する技術開発で共同研究プロジェクトを推進するとしている。